「歌が上手い」ってどういうこと?歌の上手さを決める5大要素とは
こんにちは。
元アカペラシンガーNeoです。
これまでアカペラグループで15年近く歌ってきました。
僕はグループでは主にパーカス担当だったんですが、元々はボーカリストとして19歳で歌を始めて20年。
「歌う」ということについて、特に技術面や発声について追求してきました。
「歌が上手くなりたい」と思っている人はたくさんいると思います。
けど何をもって「歌が上手い」というのか、そこが漠然としてると遠回りしてしまいます。
さあそこで今回は、僕の20年の歌人生のから、「歌の上手さ」について、改めて考えてみました。
「歌が上手い」とはいったい何なのか?
です。
歌の上手さを決める5大要素
僕は「歌の上手さ」を、ざっくりと5つの要素に分類しました。
それがこの5つです。
・音程(音感)
・リズム感
・テクニック
・表現力(ハート・伝える力)
本当に歌が上手い人というのは、これら5つの要素それぞれの能力が優れています。
では、一つひとつ噛み砕いて解説します。
発声
まず発声。
発声は歌うという行為の土台になるもの。
発声が理想的なほど、美しい艶やかな声を出すことができます。
また、喉に負担をかけず、持続的に美しい声を保つことができます。
理想的な発声は「腹式呼吸」と呼ばれる発声方法。
美しい艶やかな声を出すには、喉を開き、肺から安定的に空気を送り出し、喉にストレスなく声帯を振動させる必要があります。
腹式呼吸はそれを実現させる必要不可欠なスキルです。
逆に喉が閉まった状態での発声、いわゆる「喉声」だと、声が安定せずヒョロヒョロしたり、ふらふらと音程が定まらなかったりします。
また高音(高い声)がキンキンしたり、出なかったり、声が裏返ったりする原因もほぼこれです。
そして息を無理に喉で支え続けると、すぐに疲れて、声が枯れたりします。
喉で支えるには限界があります。
これを解決するには、息を喉ではなく、お腹で支える腹式呼吸です。
腹式呼吸についてはこちらに詳しく書いてます。
・玉置浩二の完コピで気付いた腹式呼吸の重要性
・20年近く悩んだ発声の悩みが加速的に改善した5つのポイント-解説-
音程(音感)
音程は、歌の上手さで、一番分かりやすいポイントですね。
いわゆるオンチ(音痴)とは、音程が悪いこと、つまり、正しい音で歌えていない状態を指します。
音程は正確であるほど上手いと言えます。
カラオケの採点システムでは音程の正確さが特に問われます。
そして、正確な音で歌えるかどうかの重要な要素に、音感というのがあります。
この音感には「絶対音感」と「相対音感」の二種類があります。
絶対音感は、他の音と比較せずに、音を聞いただけで正確に音の高さが分かる感覚。
相対音感は、他の音との比較で、音の高さを識別できる感覚。
一見、絶対音感を持ってる方がいいように思えますが、「歌う」ことに関して言えば必ずしもそんなことはなく、相対音感が優れていれば、音程は正しくなります。
そして絶対音感は、幼少期の早い段階で訓練しないと付かないそうですが、相対音感は年齢に関係なく誰でも上達します。
「音感」を鍛えるには、楽器を鳴らしながら、音が正確を確かめながら、耳を鍛える必要があります。
例えば、こんなツールもあります。
音感トレーニング~"聴いて答える"音感マスターツール~
あと、音程は「発声」ともつながりがあります。
発声が悪いせいで音程が悪くなっている人けっこういます。
だから発声を治すと、音程が改善するというケース多いです。
素で声が良く通る人いますよね。
そういう人って、比較的音程がいいし、歌の上手い人が多いんですよね。
スポーツ選手なんかもそうですね。
発声を鍛えることで音程はよくなり、歌は上手くなります。
リズム感
リズム感はさっきの音程と違って、なかなか見えにくい部分ですが、かなり重要な要素です。
リズム感が良くないと、正しいテンポより走ったり、モタったりということが起きます。
そして、リズムに合った微妙な強弱のニュアンスが出せずに、仮に音程がバッチリでも、のっぺりした小ダサい歌になってしまいます。
「バラードだと上手に歌えるけど、アップテンポだと急にヘタになる人」のパターンですね。
で、日本人て文化的にリズム取るのが苦手なんですよね。
日本の音楽が昔から「オモテ拍」でリズムを取る文化なので、細かく取るのが苦手だったからです。
とはいえ、今の若い人はもう「ウラ拍」の音楽にもたくさん触れているので、
昔より歌の上手い日本人は確実に増えてると思います。
この「リズム感」を鍛えるのもなかなか骨が折れます。
苦手な人はまず、「ウラ拍」を取ることから始めましょう。
16ビートを体の芯で取ること。
一番のオススメはダンス習うことですかね~
頭や耳で訓練しても、なかなか体には入ってきません。
加えて、「リズム感が悪い」って自分で自覚するのは難しいので、良くしたいのなら人に教わるのがいいですね。
テクニック
ビブラート、抑揚、こぶし、ファルセット、エッジボイス、シャウト、ウィスパー、フェイク...
色んなテクニックがありますね。
「歌の上手さ」で、一番欲しいと憧れる華やかな要素は、テクニックじゃないでしょうか。
これらは上記3つの基礎体力を身につけた後、さらに強くなるための武器のようなもの。
これを身につけるには、違いを聞き分ける能力と、体現する能力が必要になってきます。
これは「歌が上手くなるための最短の近道」の記事に詳しく書いてます。
テクニックが長けてる人は、まず、違いがわかっています。
例えば誰かの歌の"こぶし"を聴いたときに、「こういう音階でこういう風に歌っている」「こういう強弱で歌ってる」「こういう発声で歌っている」と細かく聞き分けられる人ほど、その感覚が優れてます。
それが理解できれば、あとはそれを自分の体で体現するだけ。
それを体現できる身体能力(発声)が備わっていればよいだけです。
この聞き分ける能力を鍛える方法は、とにかく上手い人の歌をじーーーーーっくり聴くこと。
ただ全体をぼんやり聴いててもだめです。
歌の出だしから、0コンマの幅で聴く。
違いが分かるまで繰り返し繰り返し聴く。
そして、それを「寸分狂いなく」を目指して、自分で体現していく。
つまり完コピです。
表現力(ハート・伝える力)
これは一番つかみどころのない、難しい要素じゃないかと思います。
訓練したからって誰もが出来ることじゃないですしね。
その人の想いとか、人生経験とか、あとセンスも大きいですね。
これは「芝居心」に近いんじゃないかと思います。
歌唱力がそこそこでも、表現力のある歌い手はたくさんいますしね。
でも、やっぱりテクニックがあって、その上に表現力が備わってたら最強じゃないかと思うわけです。
この「表現力」をどうやって鍛えるか。
とにかく「気持ちを込めて歌うこと」だとは思うんですけど...
上手に歌に乗せられるかは、テクニックの部分になってくると思うんで...
結局さっきと同じで、上手い人の完コピ!
ただ、表面だけマネしても、あざとくなるだけだから、同時にしっかりと感情を込める練習も。
まとめ
最後にまとめます。
「歌が上手い」要素は
・発声
・音程(音感)
・リズム感
・テクニック
・表現力(ハート・伝える力)
の五つ。
それぞれを上達させるには
・発声 → 腹式呼吸の体得
・音程 → 楽器を鳴らしながら、音が正確を確かめながら、耳を鍛える
・リズム感 → ダンスを習う
・テクニック → 上手い人の完コピ
・表現力 → 上手い人の完コピしながら気持ちを込めて歌う
これです。
でも、総合して、一番効率がいいのは、やっぱり完コピですね。
さあ、頑張って歌っていきましょう~!