大学生アカペラーに読んで欲しい、もっとプロっぽいライブを作るためのMCとは
本日は特に大学生アカペラーさんに向けて書きたいと思います。
もっとプロっぽい、かっこいいライブをするにはどうすればよいか、です。
自分はこれまでプロのアカペラシンガーとして自身の活動を行いながら、大学生のアカペラ合宿の講師や、ライブ活動サポートなどをやってきました。
そこでいつも感じていたことがあります。
大学生は「大学生っぽいなぁ」ということです。
大学生だから大学生っぽいのはあたりまえじゃん、て話なのですが、この「大学生っぽい」とは何を指すのか。
それは「MCが素人っぽい」ということです。
上手なグループも少なからずいますが、大半が平均的で似たような空気感で、似たような内容のMCをしています。
正直なところMCに関しては、自分もあまり得意ではなく、長らく苦労いたしました。
だからこそ伝えられることがあります。
それではどのようなMCがよいのかを、以下の6項目にまとめてご紹介します。
2.無理に笑いを取ろうとしない
3.内輪ノリをしない
4.話す内容を事前にきっちり決めておく!
5.ライブ全体の流れを意識する
6.MCをする意味合いをもう一度見つめ直す
1.役に入り込む
ステージに立つと緊張は必ずあります。
緊張してしまうのは当然で、しょうがないことなのですが、それが前面に出過ぎて、「うわ、この人らガチガチやん…」と思われてしまったら、素人感が伝わってしまいます。
そうなると観客は音楽を楽しむ前に、「大丈夫かな」と、いらぬ心配をしてしまいます。
その結果、純粋に音楽を楽しめなくなります。
ステージに立つ以上、あくまで立場はこちらが上でなくてはいけません。
それはつまり「私たちはみなさんに価値ある音楽を届けます!」という「自信」を持っているということです。
ですので、たとえ緊張していても、「緊張していない自分」「自信満々の自分」を演じることが大事です。
緊張していてもいいし、「緊張してます!」と言って開き直ってもいいです。
でも自分の、ステージでの歌い手としてのイメージは強く持って、内心ビクビクでも、膝ガクガクでも、なりきって堂々と振舞って下さい!
それだけで素人っぽさが抜けます!
2.無理に笑いを取ろうとしない
MCで「笑いをとらなきゃ」と思い込んではいませんか?
会場の空気が重たく感じたり、静かな空気に不安を感じて、無理に笑いを取ろうとしたりしてませんか?
そして空回って、歌う前に微妙な空気を作ってしまった…という経験はありませんか?
まず前提として、MC笑いを取る必要はまったくないです!!
ライブはあくまで「自分たちの音楽」を楽しんでもらうのが目的です。
「MCで笑わせるにはどうするか」ではなく、「自分たちのステージをより楽しんでもらうにはどうしたらいいか?」にシフトしてください。
MCは歌と歌の間の自分たちの休憩時間でもあり、お客さんの箸休めでもあり、また演出の場面でもあります。
上手に利用して、よりよいステージを作ってください。
また、ウケようとしてウケなかった場合ですが、お客さんは大して何とも思っていません。
自分たちの出す「スベった!」というネガティブな空気に、お客さんはイタさを感じるのです。
なので、もし仮にスベってしまっても、「別にウケようとしてませんよ」「想定内ですよ」と演じることで、切り替えてください。
ヘタしても、メンバーにいきなり一発ギャグやモノマネを振るとか、「すべらない話をどうぞ!」と言った無茶ぶりはしないように!
それは芸人さんのお仕事です。(芸人さんでもそんな無茶ぶりは嫌煙されます)
ライブはあくまで「自分たちの音楽」がメインです!
3.内輪ノリをしない
「内輪ノリ」「内輪ネタ」は大学生のみなさんがやってしまいがちなミステイクです。
お客さんが本当に身内だけなら良いのですが、一般客や、メンバーの家族や知り合いなど、サークルの一歩外の人が一人でもお客さんにいる場合は見直すべきポイントです!
内輪ノリや、内輪ネタで盛り上がってしまうと、知らないお客さんは置いてけぼり、蚊帳の外になってしまいます。
すると、疎外感を感じて、お客さんが醒める原因になります。
その結果、ライブを通して本当に伝えたかったことや感じてもらいたかったことが、伝わりづらくなります。
MCは常に観客を意識することが大事です。
「もし仮に今日来てくれたお客さんが、全員知らない初めての人だった場合、その人たちに楽しんでもらうためには、どんなことをどんな風にしゃべればいいだろうか?」という発想で考えてみてください。
それがプロっぽさへの第一歩です。
4.話す内容を事前にきっちり決めておく!
これはプロのアーティストでもやってたりします。
ぶっつけ本番ではなく、こういう話をする、と本番前にMCの内容をメンバーでシェアしましょう。
そして内容を客観的に面白いかどうか(interesting含む)を精査する。
さらに曲紹介までの流れをきっちり考えるようにましょう。
また、そのMCの意味合い、必要性についても考えて欲しいと思います。
このMCではお客さんにこんな気持ちになって欲しい、こんな風に感じて欲しい、というイメージを明確にした上で、MC有無、そして内容を決めましょう。
ライブ中にする「なんか話すことない?」という会話は、素人っぽさが出て、お客さんを醒めさせてしまいます。
5.ライブ全体の流れを意識する
よくMCで、ライブの流れを止めてしまっているのを目にします。
それはこれまでに述べたようなことで、MCが空回ってしまって、お客さんが醒めてしまってる状態です。
無理に笑いを取りに行ってスベッたときや、何を話していいか分からなくなって、メンバー同士で話の振り合いをしてしまったり、そんな時に起こります。
それはそもそもライブ全体を俯瞰できていないことが原因です。
どんなに歌が上手で、ハーモニーが素晴らしくても、MCで流れを止めてしまうと、せっかくお客さんが世界に入り込んできたものを、ハッと我に返らせてしまいます。
話す内容に関しては、先ほど話した通りなのですが、もう一つ同時に気にして欲しいのがこのライブの流れです。
それはつまり、ライブの空気感をトータルでプロデュースするということです。
例えば、切ないバラードを歌う前に、おちゃらけたMCや、まったりしたMCはあまりお勧めしません。
もちろん絶対なしではないですが、もしその曲で感動させたいのであれば、MCは演出に使った方が賢明です。
より曲で感動させるためには、どんな内容で、どんな話し方がいいだろうか?と考えてみてください。
個人的なエピソードトークであっても、その次に歌う曲の世界を広げくてくれるような内容なら素敵です。
一つの曲でも、MC一つでお客さんの曲に対するイメージや、解釈の仕方がガラりと変わってきます。
作ったアーティストの意図に沿わなくても、「私はこういう風に解釈します。今日は皆さんにはこういう気持ちで聞いて欲しいです」ってのもありです。
また楽しい曲の前のMCは、出来るだけテンション上げて、楽しい雰囲気作りをした方がいいでしょう。
「次の曲をより楽しんでもらうために空気を温める」といった意識です。
そして、ライブ全体を通して、ここではこんな雰囲気で、ここではこんな空気感で、という風にトータルで考えてMCを構成することで、お客さんを世界に引き込みやすくなります。
6.MCをする意味合いをもう一度見つめ直す
再三書いてきましたが、一番大事なのは、お客さんを楽しませる、自分たちのステージをよくする、という視点です。
そのためにはまず、「自分のバンドが何を大事にするのか」を考えて、話し合いましょう。
自分たちがそのライブを通して、見ているお客さんに「どんなことを感じてもらいたいか」という目標をメンバー全員の共通認識で持つことは、いいライブ作りをするためには、欠かせないことです。
それがあった上でやっと、どんなライブにするか、どんなMCにするか、です。
もしMCが必要ないのでは?と思うのであれば、しないというのも一つです。
MCをしないプロのアーティストもいます。
あと、メンバー紹介も、みんながやってるからとか、やるのが普通だからと、特に理由も考えずやってませんか?
もしそうならこれも別にやらなくていいと思います。
もしやるならちゃんと何のためのメンバー紹介なのか?なぜ名前を教えなくてはいけないのか?本当に自分たちのライブに必要なのか?ということを今一度問い直して、その上で、より目的に合った、効果的なメンバー紹介をして欲しいと思います。
告知も同じですね。
まとめ
自分は大学生のみなさんがアップしている、歌っている動画ちょくちょく拝見していますが、本当に上手い人多いです。
だからこそライブでのMCが素人っぽいのが本当にもったいない!!!
MC一つでもっとプロっぽく、もっと楽しいライブに、そして歌やメッセージをもっと観客に届けることが出来ます!
歌唱力やハーモニー、音楽的な技術を高めるのも大切ですが、今一度MCの意味合いについて考えてみて欲しいと思います。
もしMCについてもっと研究したい、もっと上手くなりたいのでしたら、まずこの本をオススメします。
とてもわかりやすく読みやすい、自分も大好きな本です。
人見知り克服の方法についても書かれてます。
最後まで、お読みいただきまして、感謝いたします^^
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ありがとうございました♪






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