正しい発声とは?その前にそもそもなぜあなたの発声が悪くなるのか?
歌っていて「高い声が出ない」「声が通らない」「すぐに声が枯れてしまう」など、発声に関することで、悩んでいる方は、沢山いらっしゃると思います。
僕もその一人。
ながらく発声が悪く、「高い声が出ない」という問題で、20年間悩み続けました。
その間、数々のボイストレーナーを師事し、数々の本を読んできました。
そのため改善には時間はかかりましたが、発声について大変詳しくなりました。
今回は20年間研究し続けて辿り着いた考えにつてまとめます。
正しい発声とはつまりどういうこと?
ではそもそも「正しい発声」ってどんな発声でしょうか?
僕は10人近いボイストレーナーからトレーニングを受けてきました。
しかし練習方法や発声方法も結構バラバラでした。
例えば歌うとき「腹式呼吸」はとても大事ですが、「腹式呼吸はしなくていい!」という先生すらいました。
ジャンルによっても声の出し方は違います。
オペラにはオペラの出し方、民謡には民謡の出し方、メタルにはメタルの出し方…
そしてそのジャンルの中でも流派があったりしますから。
さらには、音楽的にマイクを使うか否かでも発声法方って変わってきます。
しかしこれらの様々な発声や、ボイストレーナーの中でも、大半で共通している部分があります。
腹式呼吸であったり、喉を脱力することであったり。
そういった発声理論を抜きにして、全ての発声方法に共通する肝心なことがあります。
それは
・聴いている人が心地よい
この二点です。
歌っていて喉がしんどくなくて、聞いている人が心地よければ、それは「正しい発声」と言えるでしょう。
でも、これを読んでいるあなたは、両方、またはどちらかが欠けているんだと思います。
そもそもなんで発声が悪いのか?
あなたはどんな発声をしています?
と言われても説明できないですよね。
声は目に見えないし、喉や声帯も体の中にあるので見えません。
だから今どんな発声と聞かれても、ちゃんと答えられる人は少ないと思います。
ただ一ついえることは、今のあなたの発声は、あなたがこれまでしてきた発声のクセの蓄積です。
だから発声は十人十色、100人いれば、100通りの発声があります。
それはこの世に生まれてからの、環境や性格、取り組んできた事柄によって少しずつ作られていきます。
産またばかりのときはまだ声に大きな個性が出ていないので、赤ちゃんはだいたい似たような声で「オンギャ~」と泣きます。
しかも発声にクセや力みがないので、非常に良く通る甲高い声です。
そう、この時点「発声が悪い」ってことはないんです。
スタートラインは同じ。
発声が悪くなる理由
生まれてから成長していく過程で、それぞれの性格や生活環境の中で少しずつ発声に個性が出てきます。
声質そのものは、顔や体の特徴と同じで、親からもらった個性で、先天的なもの。
しかし発声は、ほぼ後天的です。
それは育った環境、性格に左右されます。
小さい頃から周囲に気を遣う性格だったり、萎縮した環境で育つと、大きな声が出せない、喉が力んでしまうなど、悪い癖がつきやすくなります。
逆に、大らかでのびのび育ったり、大声を出す環境だったり、英才教育で幼き頃から発声を学んでいたりすると、悪い癖がつきにくいでしょう。
環境も性格も千差万別。
クセがスゴい人もいれば、クセが薄い人もいます。
今のあなたの発声は、あなただけの発声のクセということです。
しかしながら、スタートラインは同じ!!
生まれたときはあなたも、良く通るいい声を持ってたんです。
悪い発声が「悪い発声のクセ」の蓄積であるなら、その悪い発声のクセをやめて、「よい発声のクセ」をつければいいということです。
勝機はあります。
ボイストレーニングとはクセのリハビリである。
それでは「理想の声」を手に入れるためにどのようにボイストレーニングをしていくべきなのか。
「トレーニング」と聞くと筋トレのようなイメージがあるかも知れませんが、このクセを変えていく作業は、「リハビリ」に近いイメージです。
まず、最初に断っておくと、独学は非常に危険です。
喉や声帯の動きは外から見えず、とてもデリケートです。
いいクセか悪いクセかの判断はとても難しく、がむしゃらに鍛えても、下手するとどんどん悪い癖を助長するようなことになります。
なので、ぜひボイトレに行って下さい!
と、最初にお断りしておきます。
で、その上で「それでも独学でやるねん」という方は、充分注意して練習を行ってください。
その場合は「感覚を研ぎ澄ませる」こと。
声は目に見えず、喉や声帯は見られないので、頼れるのは感覚だけです。
今自分が出している声、そのときの喉の使い方、喉の動き、感覚。
よーく観察してください。
とにかく歌っていて喉がしんどくないことが大事です。
しんどければその時点で何か間違っています。
それだと喉を潰したり、長時間歌うことができません。
その感覚を鍛えていくと、その後のボイストレーニングがとても効率的になります。
その上で、練習を始めてください。






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