20年近く悩んだ発声の悩みが加速的に改善した5つのポイント-解説-
こんにちは。
全国のアカペラーを応援する、関西在住のボーカリスト Neo です。
前回「20年近く悩んだ発声の悩みが加速的に改善した5つのポイント」という記事で以下のポイントを挙げました。
②下腹に力を入れる
③喉の奥を開く
④息をたくさん出しながら
⑤喉仏が上がらないようにする
今回はこれらを一つひとつ解説していきます。
あなたの声に改革を起こせるかもしれません。
①姿勢を真っ直ぐにする
まずは過去の記事でも書きましたが、姿勢を真っ直ぐにすること。
(高い声もイケボも阻害する猫背の治し方)
声はまず息の流れ、それによる声帯の振動、それによる音の共鳴で生まれます。
声の源流は息です。
だから息の通り道をしっかり作らないことには、いい声が出せません。
その息の通り道を作るためには、体をまっすぐにすることが重要です。
猫背のままだと、息の流れがスムーズに行かず滞ってしまいます。
ですので、声を出すときは、まず姿勢をまっすぐにしてください。
よく言われるのは、頭の上からピンと糸で引っ張られている感じ。
分からなければ、壁に背中をくっつけて、胸を張って、少しアゴを引いてください。
慣れてない人は、続けるのがちょっと辛いかもですが、それは「まだ声に可能性がある」ってことです!
頑張って慣れてくださいね!
②下腹に力を入れる
さて、二つ目は鼻から息を吸い込んで、下腹に溜めてグッと力を入れること。
なんですが、力の入れ方にもパターンがあります。
例えばドイツ式の発声だと、横隔膜(下腹の部分)に空気をグッと溜め込んで、その張った状態を維持するように声を出します。
下腹をずっと外に押し出してるような感じですね。
反対にイタリア式のいわゆる「ベルカント唱法」と呼ばれる発声法では、溜めた息を下腹部から徐々に押し上げながら声を出します。
つまり腹をグイグイと引っ込ませるように息を吐いていく状態ですね。
これ、どっちが正しいとかではないんですよね。
プロの人でもけっこう分かれると思います。
僕がこれまで習ってきたボイトレの先生でも、両方いましたね。
僕はどちらも試しましたが、結局どっちも効果アリでした。
だから合う方を選べばいいんじゃないかと思いますが、とりあえずドイツ式の方で進めてみてください。
ちなみに僕はドイツ式の方をメインにやってますが、無意識にベルカントになってるときがあります。
体が必要だということを理解すれば、自然に動くようになってきます。
どっちにしても、肝心なのは横隔膜で息を送り出すことです。
これがいわゆる「腹式呼吸」による発声であり、「腹から声を出す」って言われるやつなんですね。
これをやることで、喉に負担が行かなくなります。
逆にこれをやらなかった場合にどうなるかと言うと、息を肺の浅いところから喉の周辺でコントロールする感じになって、喉が力みやすくなります。
それが、声量を落としたり、高い声を出せなくする原因になります。
だから、声を出すときは鼻からしっかり息を吸い込んで、下腹にグッと力を入れて下さい。
③喉の奥を開く
さあ三つ目は「喉の奥を開く」こと。
これもいい声を作るには大事なポイントです。
姿勢を正して、息の通り道を作りましたが、それではまだ不十分です。
最後の難関は喉の奥です。
後に出てくる「喉仏が上がらないようにする」とも共通する内容なんですが。
喉の奥では、息をするときと、ものを飲み込むときとで、空気の通る弁のフタを開いたり閉じたりしてます。
で、問題なのは、声を出すときにそれを閉め気味にしちゃってる人がいるんですね。
僕も長らくそうでした(。>﹏<。)
これは高い声を出すための正しい発声とはという記事でも書きましたが、これまでの人生での発声の癖です。
とくに日本人は日本語の発声形式上閉めがちです。
せっかく姿勢を正して空気の通り道を作っても、ここで閉じちゃ意味がない!
閉じちゃうと、これもまた喉に負担が行くし、声量や高い声を大いに阻害します。
この癖を直すにはとっても時間がかかります。
でも、最初の一歩はまず、しっかりと声を出すときの喉のフォームを作ること!
一番よく言われるのは、「あくびの時の喉の状態」です。
まずは実際にあくびを出すようにしてみてください。
そうすると、気づきませんか?
下腹が膨らむ感じ。
そう、ここ、リンクしてるんですね。
しっかりと喉を開くには、横隔膜の強力が必要なんです!
さて、実際にあくびをして、喉の感覚が分かったら、その状態を意図的に維持するようにしてください。
その状態だと、ボアボアした声しか出ませんが、気にしないで下さい。
喉がちゃんと覚えたら、喉の奥が開いた状態で綺麗な歌声が出せるようになってきますから。
喉が覚えるまでは、しばらくはそのままで!
④息をたくさん出しながら
続いて4つ目は、「息をたくさん出しながら声を出す」です。
上記の3つは、あくまで声を出すまでのフォームで、ここでやっと発声します。
日本語の形式上、日本人は普段話すときに、あまり息を使いません。
これは「玉置浩二の完コピで気付いた腹式呼吸の重要性」という記事でも書きましたが、
例えば英語の場合、子音を強調して、「シュッ!」とか「チッ!」とか、腹式で息を送り出して発声するのに対して、日本語は「あ」「い」「う」と母音を強調するので、あまり腹式を使いません。
だから、日本人は全体的に、声を出すときの吐く息が少ないんですよね。
これ、いい声で歌うには、なかなか不向きです。
息の量が少ないと、腹式ではなく胸式の呼吸に近づいて、また喉が閉まっちゃうんですね。
だから、しっかりと姿勢を正して息の通り道を作って、横隔膜の方に空気を入れたら、喉を開いたまま、息をしっかり吐き出して、そこに声を乗せてください。
どうです?めっちゃしんどいでしょ?
歌うってこういう事なんです。
でも、慣れれば絶対に出来るようになってきます!
では最後!
⑤喉仏が上がらないようにする
最後は「喉仏が上がらないようにする」です。
これはつまり、喉の奥を開けた状態を保てということなんですけど、この喉仏が一番わかりやすい目安なんですね。
さっき喉の奥の空気の弁のフタの話をしましたが、この喉仏が上がっている状態というのは、そのフタを閉じようとしてる状態なんです。
今喉仏を触りながらツバを飲み込んでみてください。
グイッと上がるのが分かると思います。
これは飲み込む時に、気道に異物が入らないように閉じるというシステムなんです。
入っちゃうと「むせる」というシステムが起こります。
つまり喉仏が上がってるってことは、空気の通り道が狭くなってるってこと!
気道が狭くなってるってことは、さっきまでいい声を出すためにせっかく作った息の通り道を塞いじゃうってこと。
これはなんとしても阻止せねばなりません!
さっきあくびの喉の状態を作りましたね。
このとき喉仏は、グーンと下がってます。
この時の喉仏の状態を維持して、ヤツが上に上がってこないように、しっかりと下腹に力を入れながら声を出し続けて下さい。
声を出すとき、喉、気道、お腹、全ての動きはリンクしています。
どれが欠けても歌うのにベストな声は出ません!
これが僕が長い時間をかけて辿り着いた結論です。
まとめ
さあ、長くなりましたが、まとめです。
②鼻から息を吸い込んで、下腹の方に溜め込んでそれをキープしてください。
③あくびの時の喉の状態を作って、それもキープして下さい。
ここまでが発声までの準備で、ここからが発声。
⑤そのとき、喉仏が上がらないように注意して下さい。
で、これで好きな歌を歌ってみてください。
ただし音の高いやつはとりあえずやめてね。
まずはこれまで比較的楽に歌えてきたものでトライして下さい。
喉仏が上がったら喉が絞まってます。
上がらないようになるまで、トライして下さい。
もしどうしても上がるようなら、もっと低いところから始めてください。
さあ、やってみてどうでしょうか。
めーーーっちゃしんどいでしょ?(* ̄∇ ̄*)
全身で歌ってる感じ、分かります?
もしいままで体験したことない感覚だとしたら、あなたの発声、歌は、もっと良くなる可能性を秘めてます。
さっきも書きましたが、これが「歌う」ってことです。
プロのシンガーはみんなやってることです。
そうでないと、すぐに喉潰しちゃって、連日のツアーなんてできませんから。
安室ちゃんとかはこれをやりながら、ダンスして走り回ってます。
これを体得するには、とにかく慣れです!
習慣にすれば必ず「これか!」と分かる日が来ます。
古い習慣を改善するのは、新しい習慣です。
継続は力!
頑張って続けてください!
あなたの発声、あなたの歌を応援してます!






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